静岡県伊東市の城ヶ崎海岸は伊豆半島が形成される過程の痕跡を観察できる溶岩台地。城ヶ崎自然研究路にはユネスコの伊豆半島ジオパークのジオスポットに指定された貴重な自然が広がっています。今回は「かんのん浜ポットホール」と呼ばれるとても珍しい岩を観察できる場所があるということで伊豆高原方面を目指しました。
伊豆高原駅から数分のいがいが根駐車場(無料)から「いがいが根」を目指し歩き始めます。いがいが根に出たら左側(北側)に数分歩くと「かんのん浜」と書かれた標柱の場所に着きます。ここから海岸線の岩場向かってゴロゴロとした岩の上を移動します。
事前情報では正面に見える小高い岩山の右側に回り込むとありましたが、最初は回り込みすぎて一つ南側の根に向かってしまい途中まで引き返しました。
この石積みが目印といえば目印。すぐ目の前の岩場を登る感じです。
岩場の海岸線が見える場所に出て周囲を確認すると、ありました!「あった!」と思わず声が出ました。
この日はうねりが強くてポットホールに近づくのは諦めました。
望遠レンズで覗いたポットホール。ポットホールは甌穴ともいわれ、川や海岸の岩石にできる自然が作り出した穴です。小石などが岩場を削って丸い穴になります。かんのん浜のポットホールはとても珍しいもので現在も丸い岩が周囲の岩を削り続けている様子を観察できます。伊東市の天然記念物にも指定されています。
さらにアップの写真。波が打ち寄せると丸い岩がガタガタと動く様子が分かります。もっと荒い波だとぐるぐると回転しながら周囲の岩と擦れるのでしょう。そして、この丸い岩はいつの日か砕けて消滅する運命にあります。または周囲の穴が大きくなり波の力で飛び出してしまうのかもしれません。貴重な自然現象を観察できて良かったです。
シソ科の海浜植物ハマゴウの花と葉が、荒涼とした景色の中で一際鮮やかでした。
最後に、城ヶ崎自然研究路はむき出しの溶岩の上を歩く場所が多々あります。自分たちは登山用のトレッキングシューズを履いていき正解でした。スニーカーよりも靴底が厚く岩の衝撃が軽減されますし、足首を保護するミドルカットで不安定な岩場で捻挫する危険性が低下します。できればジーンズのような厚手の長ズボンだとより安心です。
ブレがひどいですが動画もご覧ください。